こんにちは。英語コーチの江利子です。
中学英語で挫折した経験がある方は、50代以上の方には割と多いのではないでしょうか。
実は、私も中学一年の時に英語でつまずいた一人です。
今日はその理由と、今だからこそできる「大人の英語学習」についてお話ししてみたいと思います。
なぜ中学で英語につまずいたのか?——考えられる4つのパターン
中学時代、英語を楽しめなかった理由には、当時の時代背景や教育スタイルが関係していると思います。
ここでは、自分の経験を思い返しながら、私が中学生だった昭和50年代の学校英語から「つまずき」の原因を考えてみます。
① 【文法重視の授業がつまらなかった】
- 文法や訳ばかりで、実際に英語を使って会話と楽しむ機会がなかった
- 英語と日本語の語順の違いに戸惑った
- 日本語に無いルールが多くて覚えるのが大変だった
- 文法用語が難しかった
言葉がコミュニケーション手段ということを飛ばして、細かいルールばかりを覚えなくてはならず、それを苦痛に感じた人も多かったのではないでしょうか。
言葉は使って、間違いながら覚えていくものですが、間違えたら❌を付けられるので、間違えるが怖くなりますよね。
そうなると、英語はテストで点をとるためだけの勉強になってしまいます。
私は、中学で英語を勉強すれば、英語が話せるようになると思っていたので、期待はずれでした。
② 【発音や音読が恥ずかしかった】
- 正しい発音がよくわからず、カタカナ発音になっていた
- 教科書を音読するのが恥ずかしかった
- 正しく発音しようとすると(ネイティブ風に)クラスメートに笑われた
当時公立の中学校には、ネイティブの先生の授業はありませんでした。真似する対象が無かったのです。
実際に生の英語に触れる機会が無い中で、英語っぽく話せば、クラスで浮いてしまいます。思春期の子供達が一番嫌がる状況ですね。
今も英語の発音が苦手な方は多いのではないでしょうか。
③ 【そもそも英語に興味をもてなかった】
- 音楽や映画など、英語に触れる機会がなかった
- 教科書の例文に、実用性を感じなかった(例:This is a pen.)
- 「海外」を身近に感じることがなく、自分が英語を使うことなど無いと思っていた
当時は、NetflixやAmazonプライム、YouTubeなどもなく、海外の映像に触れる機会は限られていていました。今と比べると英語を耳にする機会も圧倒的に少なかったですね。
また、周りに外国へ行ったことがある人もほとんどいなかったので、自分が実際に英語を使う場面を想像できない人が多かったと思います。
そうすると、英語の必要性を感じません。
④ 【得意になれず、早々にあきらめてしまった】
- 他の教科よりも成績が伸びず、自信をなくした
- 単語や文法を覚えるのが苦痛だった
- 「自分は英語が苦手」と諦めて、勉強する気を失った
小学校でゆっくり学んで基礎が出来ていた科目は、中学で難度が上がっても、それほど苦労はしませんでした。
でも、英語は、ゼロから積み上げていかなければなりません。しかも、中学では進むのが早くなります。
スタート地点はみんな一緒ですが、一度つまずくと、そこで置いてきぼりを喰らいます。立て直すのも大変です。
しかも、基礎がわかっていないと、その上にいくら積み上げようとしても、思うように点数が上がらず、その結果、「英語苦手」となってしまいます。
でも、それは“あなたのせい”ではありません
あなたが英語を苦手に感じたのは、あなたの能力の問題ではありません。
「英語が楽しい」と思えるような環境が、整っていなかっただけなのです。
私たちの時代は、今のように小学校から英語の授業があって、外国人の先生(ALT)と一緒に生の英語を体験する機会はありませんでした。
なので、当時と同じ事をやり直すのではなく、「新しいスタート」として考えてるといいと思います。
50代からの英語は「楽しいこと」にフォーカスしましょう
若い頃と違って、今のあなたは――
- 自分の興味・好みが、よくわかっている
- 学ぶ目的を自分で決められる
- 人生を楽しむ余裕がある
もう学生時代のように、英語は強制的に勉強しなくてはならない科目ではありません。
例えば、こんなことを想像してみてください。
- 海外旅行で現地の人と話せたら、旅がもっと楽しめるかも
- 映画のセリフが字幕なしでもわかったら、字幕にない部分で笑えるかも
- 英語の歌詞が理解できたら、同じ曲でも、それまでとは違う解釈ができるかも
英語が使えると、日本語だけでは得られなかった情報を得ることができるので、異文化をより深く味わうことができます。
それって、大人の楽しみ方だと思いませんか。
最後に
私が中学1年で英語につまずいた原因は、①と④でした。
でも、中一の秋に、テレビドラマ『最遊記』が始まり、テーマソングを歌っていたゴダイゴにハマった事で、彼らの英語の歌を必死に覚えるようになったのです。
この「好き」が見つかったおかげで、一度は苦手意識を持った英語が得意科目となりました。
好きなことがわかっている大人であれば、英語は、あなたの世界をちょっと広げてくれるツールとして使えます。
あなたが 中学で英語につまずいたとしても、今なら、まったく別の視点で楽しく学ぶことができるのです。
苦手だったあなたにこそ、新たに英語の楽しさを知ってほしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。